地面に残る、7世紀の防御線。鹿毛馬神籠石の謎を歩く

地面に残る石列と土塁、水を逃がす暗渠式水門。国指定史跡・鹿毛馬神籠石を歩き、7世紀の防御線を想像します。

飯塚市鹿毛馬の丘陵に、約2キロメートルにわたる石列と土塁の痕跡が残っています。国指定史跡・鹿毛馬神籠石です。

文献には名前が現れず、誰が何のために築いたのか、すべてが分かっているわけではありません。だからこそ、石と地形を手がかりに古代の風景を考える面白さがあります。

「神籠石」とは何なのか

神籠石は、西日本各地で見つかっている古代の遺跡です。かつては神域、牧場、山城など複数の説がありましたが、現在は防御施設を備えた古代山城とする説が定説になっています。

鹿毛馬神籠石も7世紀頃に築かれたと考えられ、1945年に国の史跡へ指定されました。歴史書に記録がないことは欠点ではなく、考古学によって少しずつ輪郭が見えてきた遺跡の魅力でもあります。

低い丘を囲む、石列と土塁

鹿毛馬神籠石の特徴は、標高約16〜76メートルという比較的低い場所にあることです。馬蹄形の丘陵を石列と土塁が囲み、その一部には土を層状につき固める「版築」の痕跡も残ります。

また、水を外へ逃がす暗渠式の水門が確認されています。石を並べるだけでなく、水と地形を読みながら施設全体を築いた技術に注目すると、見えにくい史跡がぐっと立体的になります。

資料館で知ってから、現地へ

現地では石列や高低差が自然の風景に溶け込んでいるため、初めて見ると全体像をつかみにくいかもしれません。先に飯塚市歴史資料館の解説や公式リーフレットを確認し、地図を手元に置いて向かうのがおすすめです。

山道や私有地に近い区間も想定されます。現地の案内、立入制限、天候を優先し、安全が確認できる範囲で見学してください。

基本情報

項目 内容
名称 国指定史跡 鹿毛馬神籠石
所在地 福岡県飯塚市鹿毛馬997-1ほか
築造時期 7世紀頃と推定
問い合わせ 飯塚市歴史資料館 0948-25-2930

見学前に飯塚市の史跡案内と現地の注意表示をご確認ください。