白蓮が暮らした、和と洋の邸宅。旧伊藤伝右衛門邸へ

和と洋が重なる邸宅、窓から望む庭園、柳原白蓮が過ごした部屋。旧伊藤伝右衛門邸を、自分の歩幅で巡るための見どころを届けます。

旧伊藤伝右衛門邸の庭園側外観
旧伊藤伝右衛門邸の庭園側外観。 写真: Muyo / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

福岡県飯塚市に、明治から昭和初期の美意識を一つに集めた邸宅があります。

書院造、数寄屋造、洋風意匠。そして窓の向こうには、国の名勝に指定された庭園。旧伊藤伝右衛門邸は、石炭産業で栄えた飯塚の勢いと、そこで暮らした人々の時間を今に伝える場所です。

ひとつの家に、和と洋

邸宅が形づくられたのは、1906年から昭和初期にかけて。敷地は約2,300坪、建物は約300坪あります。

規模の大きさ以上に面白いのは、部屋ごとに表情が変わること。格式ある書院造、静かな数寄屋造、当時の新しさを感じさせる洋風意匠が一つの建物に共存しています。

主要な部屋が庭に面しているのも特徴です。室内だけを見るのではなく、窓や廊下から庭がどう切り取られているかにも注目してみてください。

柳原白蓮が過ごした約10年

この邸宅は、歌人・柳原白蓮が伊藤伝右衛門の妻として約10年間を過ごした場所でもあります。

華やかな物語だけでなく、白蓮が見たであろう部屋や庭を実際の空間としてたどれることが、この場所ならではの魅力です。人物の記憶と建築が重なることで、歴史が少し身近になります。

庭を歩いて、邸宅は完成する

庭園には2つの池、石造りの太鼓橋、噴水、石灯籠、茅葺き屋根の四阿が配されています。

主屋から眺めるための庭でありながら、歩くたびに景色が変わる回遊式庭園でもあります。建物の中から眺めた後に庭へ出ると、邸宅全体が一つの景色として設計されていることが分かります。

旧伊藤伝右衛門邸は、単に豪華な家を見る場所ではありません。炭鉱で発展した飯塚、近代の建築、白蓮の時間。その三つが重なる場所を、自分の歩幅でたどってみてください。

基本情報

項目 内容
所在地 福岡県飯塚市幸袋300番地
開館時間 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 水曜日(祝日は開館)、12月29日〜1月3日
入館料 大人310円、小・中学生100円
電話 0948-22-9700

企画展や天候により開館日が変わる場合があります。訪問前に飯塚市の最新案内をご確認ください。